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紙布織山内 | Artistic works

 

ARTISTIC WORKS



実際に手を動かす現場において、「工芸」と「アート」の境目は驚くほど曖昧だと感じます。
そのふたつの概念が生まれるよりも遥かに昔から、人間は布を含め、さまざまなものを自分の手から作り出してきました。工芸のなかにも作家の内面の表出としてのアートはあり、アートのなかにも技や素材への理解といった工芸的要素は存在するのではないでしょうか。 紙布という存在のなかで工芸とアートを両立させることは、「ものをつくる」という人間の根源的な営みを、より広い地平で考え直すことに繋がると考えています。

 

時布 -ただいま と おかえり-

経糸に石州和紙、緯糸には近隣の空き家に残されたカレンダーを細く切って織り込みました。カレンダー自体のプリントが模様のように浮き上がり、所々に見える形跡(写真や数字、書き込みの跡など)を見始めると、まるで宝探しをしているような感覚を味わうことができます。 2026年時点で400名が暮らすこの地区は、年間50名ほど人口が減少しています。先人たちの伝えてきた営みや暮らしそのものを、私たちの世代はいかに受け継いでいけるのでしょうか。 ▶︎ 素材:和紙/空き家に残されたカレンダー ▶︎ サイズ:30cm×500cm ▶︎ 制作期間:3ヶ月 ▶︎ 制作メモ:カレンダーのようなパルプ紙は、和紙と同じ要領で糸にしようとすると切れたり、ぼろぼろに崩れたりする。あまりにも扱いが難しい場合は糸状にせず、細長く切ったまま織り入れたが、そのような部分があることで、布全体にリズムが生まれた。近隣ギャラリーでの展示の際には、カレンダーをいただいた空き家から家具をお借りし、生活の気配ごと伝わるような仕掛けにした。 ▶︎ 展示:ギャラリー時(島根県温泉津町)/GOOD DESIGN MARUNOUCHI/Fabcafe Kyoto 他

 

里山ート Satoyamart

工芸文化を蘇らせ、活気づけ、再構築するという構想のもと制作活動を行うマルチディシプリナリー・アーティストの小林新也が手がける『里山ート Satoyamart』に参加しました。
この作品では、里山(人間の暮らし=山の自然循環の一部)とアートを融合させています。グローバルに流通するデザインを、地域素材と地域の職人の手仕事によって再現することで、これからのものづくりや消費のあり方を提示します。
▶︎ 素材:和紙/おがくず/糊
▶︎ サイズ:25cm×70cm×35cm ▶︎ 制作期間:3ヶ月 ▶︎ 制作メモ:コンバースのキャンバス地にあたる部分は400cm織った紙布を切って張り合わせ、靴紐も紙糸を組んで作成。ソール部分は、おがくず+和紙+糊で成形し、和紙で化粧を施した。ソール裏面の凹凸も再現したが、展示の時には隠れてしまう。また、左右の靴のうち、右側を近隣の山へ置いて土へ還す実験をした。冬〜春には獣につつかれながら形を保っていたが、夏になると分解が進み、跡形もなくなった。 ▶︎ 展示:MONO JAPAN(オランダ)/1/54(モロッコ)/ Fabcafe Kyoto 他